展示会ブースの色による印象の違い(その2)
人に与える印象や心理的効果
色にはそれぞれ、人に与える印象や心理的効果があります。
展示会ブースを設営するときにも、どのような色を主に用いるかで、ブースの雰囲気やお客さんの立ち寄り方、客層などが変わってくる可能性があります。
ここでは、緑色、ピンク色、白色、紫色のもたらすイメージや効果についてご説明します。
各色の特徴を知ったうえで展示会ブースの装飾に取り入れてみるとよいでしょう。
「緑」が与える印象や心理効果
「緑」色が相手に与える印象や心理的効果には次のようなものがあります。
一つ目は、人をリラックスさせる効果があります。緑とは、森の豊かな木々や野原など、自然の植物の色です。
実際に自然の植物にふれてリラックスできたという人も多いでしょう。緑色を目にすることで、人は心が安定し、ストレスを軽減させ、身体のバランスをとることができるのです。
二つ目は、人に安心感を与える効果があります。緑色は、長時間見ていても疲れない、ストレスフリーの色でもあるため、安心感や無意識に安全だと感じさせる効果があるのです。
三つ目は、温度感を感じさせない効果があります。色には温かい、冷たいなどの「温度感」を感じさせる色もありますが、「緑」色はあまりそれを感じさせない色だといわれています。
そのため人に安定した印象を与えるのです。
「ピンク」が与える印象や心理効果
ロマンチックで穏やかな印象のピンク色は、心身の緊張を解きほぐしてくれると言われている色です。
そのため、病院やクリニックなどの壁紙や看護師の制服に使われていることも多いのです。
しかし、ピンクと一言で言っても、さまざまなピンクが存在しており、それらを与えたい印象に合わせてうまく配色しなければなりません。
例えば、青みのあるピンクは、元気でガーリーな印象を与えるため、10代の女性をターゲットにしたような装飾には適していると言えるでしょう。
ショッキングピンクは、赤色のもつエネルギッシュなイメージが強いですが、モノトーンと合わせることでスマートな印象を与えるため、大人の女性をターゲットとした装飾に適しています。
このように効果的にピンクを取り入れることで、相手に与える印象を変えていくことができます。いろいろなトーンのピンクをその他の色と合わせながら、うまく装飾に取り入れましょう。
「白」が与える印象や心理効果
展示会装飾において「白」色は相手にどんな印象や心理効果を与えるでしょうか。
白色とは、暖かさや冷たさといった温度を全く感じない無彩色であり、他のさまざまな色と組み合わせることができます。
つまり、展示会装飾において、白色を使用すると、どんなアクセントカラーでも際立たせることができるうえに、全体をすっきり見せる効果があります。
また、白色とは膨張色であり、全て光を反射することから、狭いスペースでも白色をベースで使用すれば、明るく、広く見せる効果が期待できます。
さらに、白色の抽象的なイメージとして、清潔、清楚、純粋、潔白、スタート、リセット、再出発、心機一転、目新しさ、爽快感、高貴などを挙げることができます。
たとえば、目新しさのイメージをつけたい新商品発表の展示会や清潔なイメージをつけたい石鹸・洗剤の展示会、爽快感のイメージをつけたい夏の時期の展示会など、白色のイメージとぴたりと合えば、好感度を上げることができるでしょう。
「紫」が与える印象や心理効果
紫色にはどのようなイメージがありますか。
紫色はあまり主要なカラーリングではないですが、うまく使うと大きな視覚的効果が得られる色です。
紫色には、ヒーリング効果やインスピレーションを高めてくれる効果があります。
また、上品で優雅、ミステリアスといったイメージの色なので、落ち着いた雰囲気の展示会に用いるにはうってつけの色です。
ただし、使い方を間違えてしまうと、下品ではしたない、というイメージも与えてしまう可能性があるので、落ち着いた色味を選んだり、アクセント的に用いたりする必要があります。
また、他の色との相性を考えて使う必要があるために、紫色は難易度の高い色でもあります。
黄色や緑などと一緒に使ってしまうと、奇抜で落ち着かない雰囲気になるので、注意が必要です。
緑色、ピンク、白、紫の展示会装飾での効果的な使い方
色にはそれぞれ、人に与える印象や心理的効果があることをご説明してきました。
具体的には、緑色、ピンク色、白色、紫色についてご紹介してきました。
緑色にはリラックス効果や安心感を与える効果があります。それから、ピンク色には緊張を解きほぐす効果やかわいらしい印象があります。
白色は広く見える効果やフレッシュさなどのイメージがあります。紫色には上品さやヒーリング効果が期待できます。
それぞれの色は濃淡でもさらに印象が変わってきます。これらの色の特徴をおさえて、展示会においては、商品やサービスにどのようなイメージを持たせたいか、どのようなブースの雰囲気にしたいかなどを考えて、ぴったりの色を効果的に用いてください。