展示会と見本市の違いについて

2022.10.31

いろいろな企業がひとつの会場に集まり、来場客が商品やサービスを見て回れるような機会があります。展示会や見本市と呼ばれるものがこれにあたります。一度にたくさんの商談ができる貴重な機会ですので、参加するならビジネスチャンスにつなげたいところです。
展示会や見本市には、定義が決まっているものもありますし、出展側、来場者側のそれぞれに制限がある場合もあります。あなたの会社の商品やサービスを効果的にお客様に知っていただくためには、展示会に出展するのがよいのか、見本市に出展するのがよいのかも吟味すべきポイントといえるでしょう。

展示会は華やかなイベントの一つですが、展示会とはそもそも何なのでしょうか。ここでは展示会の定義や目的などについてまとめていきましょう。
国際標準化機構(ISO)では展示会の定義を定めています。それをベースにした展示会の定義は「商品、サービス、情報などを展示・宣伝するためのイベント」となります。日本においては1950年代から展示会が行われるようになり、今では企業のプロモーション活動の中でも重要な位置付けとなっています。
展示会に出展するメーカー、問屋などの企業は、その会社独自のブースを設けます。そこで新製品・新サービス・既存商品などを陳列し、来場するお客様にアピールします。それぞれに陳列方法にも工夫を凝らし、多くのお客様の目に止まるようにします。ただ展示するだけに終わらず、商談席を設け、実際の取引へのアプローチをすることもあります。
展示会の目的は新規顧客の獲得や新製品・新サービスなどの認知などがありますが、最終的な目的は売り上げを伸ばし、利益を上げるということです。

 

見本市とは?

そもそも見本市とはいったいどういう意味になるのでしょうか。見本市の定義、その目的などについてご紹介していきます。
見本市は英語では「Trade Show」あるいは「Trade Fair」と言います。見本市とよく似た言葉の展示会は、英語では「Show」や「Fair」あるいは「Exhibition」になります。単語を見れば分かるように、見本市は商売(Trade)に重点を置いた催しであるのに対し、展示会は展示すること(Exhibit)に重点を置いた催しということになります。具体的には企業が開発・製作した新しい商品や製品、サービスなどを展示したり、デモンストレーションして見せたりする、期間の限られた催しになります。
売買される場になるので、来場するのはバイヤーなどのビジネス関係者に限られます。出展する企業や、主催者の送付する招待状がなければ入場できないのが普通です。会場はコンベンション・センター(見本市会場)がよく使われます。
バイヤーなどが多く集まり、多数の相手との商談が可能です。小さな企業、資金力のない企業などは普段から商談の機会も限定されますが、見本市なら多くの商談をするという目的が叶います。

 

国際見本市とは

国際見本市は、各産業分野の見本商品を、数百から数千という企業が一箇所に持ち寄って展示・販売するイベントのことをいいます。入場が許されるのは原則としてバイヤーなどの業界関係者のみになります。よく似たものに展示会がありますが、見本市ではその場で商談が行われるところに違いがあります。国際見本市は一定の都市で毎年行われることが多く、開催都市はその産業にとって中核的な役割を担うことになります。
また、国際見本市ではその産業の発展のために世界中から数多くの専門家を招き、講演会やセミナーなどが同時に開催されます。パーティーなどが催される場合もあり、情報交換や人脈の拡大のための場として、様々な産業にとって欠かせないものとなっています。
非常に多くの人々が国内外から集まる国際見本市は、それ自体が巨大な経済効果をもたらすイベントであり、様々な国の都市がその誘致を巡って積極的な競争を繰り広げています。

 

違いを知って活用する

展示会と見本市の違い

混同しがちな見本市と展示会ですが、これらには定義があり、基準があります。
見本市はその名の通り商品の見本を展示し商談を行う期間限定の市場であり、その目的は商品の売買にあります。同時期・同場所で毎年開催されるため、顧客を増やす、効率的に商談を交わせる、流行や最先端技術を調査できる等のメリットがあります。
それに対し、展示会は見せることや宣伝することに重点を置いており、その目的は企業の利益にあるといえます。商品やサービスの説明ブースを設けるなど、一般の人達も対象となってはいますが、基本的にその場で取引は行われません。
また、取引もできる展示即売会などは見本市・展示会と併記されたりします。
見本市や展示会は長い間世界中の経済の重要なシステムとして機能しており、近年、アジア諸国でも開催が活発になっています。このアジア諸国における見本市増加とそれに伴う獲得競争の激化は見本市や展示会の定義の統一化を進める動きにつながったといわれています。

 

展示会と見本市の違いを知り、活用しよう

展示会も見本市も、商品やサービスをアピールしたい企業が展示する場という意味では同じです。しかしながら、展示会と見本市には様々な違いもありました。
たとえば、展示会は企業がブースを設け、企業からのバイヤーだけでなく一般のお客様も見に行くことができる場合がありますが、見本市は基本的に業界関係者やバイヤーだけが参加できます。それから、見本市ではその場で売買が行われる前提ですが、展示会はあくまで商品やサービスの展示・紹介が主目的となっています。
このような展示会と見本市の違いを知り、どちらに出展するか、どちらを見に行くのかを考えてみるとよいでしょう。国際的な展示会や見本市もありますので、活用してみてください。

イベントコンパニオン派遣の問い合わせ