展示会運営者が知っておきたい勘定科目の知識(その2)
展示会運営者が知っておきたい経理上の問題に勘定科目の区分があります。発生した費用も、いずれかの勘定科目に振り分けなければなりません。ここでは通信費、車両費、事務用品費、外注費について、どのようなものが含まれるのかご紹介します。
「通信費」とは
通信費とは、会社経営や事業等で通信のために使ったものに計上できる勘定科目です。通信技術が発展してきた今日では、使用頻度の多い勘定科目と言えます。
通信費には、固定電話及び携帯電話代金、ファックス代金、インターネット接続料金、配達代金、郵便切手代金、ハガキ代、年賀状の費用(取引先など事業に関わる送付先のみ)など非常に多岐に渡ります。
しかし、いくつか注意しなければならない点もあります。まず、ファックス用紙やコピー用紙、封筒や便箋などは、消耗品扱いとなるため消耗品費に入ります。
また、ダイレクトメールの送付に関しても注意が必要です。郵送は通信費にあたりますが、ダイレクトメールは販売促進が目的であるため、広告宣伝費として計上するのが妥当です。
さらに、印紙は租税公課、祝電やお悔やみの電報は交際費となります。
「車両費」とは
経理処理では「この支払いはどの勘定科目にすればいいの?」と迷うことが間々あります。例えばガソリン代です。ガソリン代は旅費交通費とも燃料費とも考えることができますが、実は車両費で計上するのが普通です。
自動車などの車両運搬具を維持管理するために必要な経費を車両費と呼びます。この中にはガソリン代、オイル料金をはじめ、強制保険・任意保険などの保険料、自動車税・自動車取得税・自動車重量税などの税金、洗車・タイヤ交換・部品交換の費用、車検費用、修繕費など、自動車に関わる費用すべてが含まれます。
「前回は旅費交通費で計上したが、今回は車両費にしておこう」というような仕訳は混乱するため、いったん決めた勘定科目は変更しないようにしましょう。
「事務用品費」とは
事務用品費とは、文房具など事務処理に必要なものに関する費用を指す勘定科目です。
よく似た勘定科目に消耗品費というのがありますが、消耗品費は、耐用年数が1年未満のもの、またはかかった費用が10万円未満のものに適用されます。
この定義から考えると、消耗品費の中に事務用品費は含まれるということになります。
しかし、事務用品は消耗品の中でも占める割合が多いものです。そこで、消耗品費と区別するために設けられた処理方法が事務用品費なのです。消耗品費の一部という意味合いから、事務用消耗品費とも呼ばれます。
事務用品費として認められるものには、文房具、封筒、印鑑代、用紙、USBなどの電子記録媒体、コピー代などの印刷代、事務機器(パソコン・FAXなど)、ソフトウェア(会計ソフトやウイルス対策ソフトなど)などがあり、多岐にわたります。
ちなみに、消耗品費と事務用品費を明確に分けなければならないという決まりはありません。そのため、紛らわしいと思う方は、消耗品費で計上しても問題はないのです。
「外注費」とは
外注費とは、外部の会社や事業主と請負契約を結び、業務の一部を委託した際の費用のことを指します。例えば経理事務や給与事務、デザインや原稿の作成、部品の加工などを外注した時に発生した費用です。
外注のメリットは必要に応じて人件費を増減できるため、経費を削減できるということがあります。また、外部の会社は社会保険に加入させなくてよいため、社会保険料の会社負担を減らせます。さらに、外注費は課税仕入れとなるため、納付する消費税の削減にもつながります。
ただし、上記のような税負担のメリットがあるため、税務調査でも注意深く見られる費用でもあります。そのため、外注を行う際には要件をしっかりと満たすことが重要です。
まとめ
通信費には、固定電話や携帯電話の代金、インターネット接続代金、ハガキ代、切手代などが含まれます。車両費は車に関する費用はほとんど含まれると思っておくと分かりやすいです。ガソリン代や車検費用、修繕費はもとより、任意保険料などの保険料や自動車税などの税金も含まれます。
事務用品費は文房具、用紙、USB、コピー代、パソコンなどの事務機器の費用が入ってきます。外注費については請負契約を結び、業務の一部を委託した時に発生する費用のことです。事務用品費などは消耗品費とほとんど区別できないケースもあるので、どちらで仕訳するのかというルールをきちんと決めておく必要があります。
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